LAND ROVER STYLE CHANNEL
その感性を手のひらに、優雅な冒険がはじまる
2018.01.11/UK

未修復オリジナルのままのランドローバー初号機を発見

ランドローバー70周年は、量産前のプロトタイプ初号機の復元レストアからスタートします。

 

このプロトタイプ初号機は、1948年アムステルダムモーターショーで発表された後、1955年に登録されてから63年間も所在不明のままでした。コベントリーのジャガー・ランドローバー・クラシックワークスの専門チームは、歴史を紡ぐために2018年この車両の復元レストアをしていきます。


 
 ランドローバー70周年を迎える2018年は、1948年に発表された四輪駆動車の原点であるプロトタイプ車両(通称「MISSING」)のレストアから始まります。
 この車両”MISSING”は、1948年のアムステルダムモーターショーで発表されたプロトタイプ3台のうちの希少な1台です。誰が見てもすぐに分かる『元祖ランドローバー』のアイデンティティを持っています。
 このランドローバー初号機がどこでどうなったのか、何年もの間謎に包まれていました。1948年のアムステルダムモーターショーで発表された後、1960年代から20年もの間、走ることもなくウェールズの大地で野ざらし状態だったようです。
その後1988年にエンジンも不動になりバーミンガムのオーナーに引き取られ、レストア予定でありながら、未着手のまま更に経年劣化していくばかりでした。
 そして、2016年にランドローバー本社工場のあるソリハルから数マイルのところにある庭で、奇跡的に発見されたのでした。その後ジャガー・ランドローバークラシックの専門メンバーたちは、会社の保管資料などを調べ上げ、このクルマの所有者歴を解き明かし、その出所や経緯を確認することができたのです。
 前年にランドローバーシリーズIの再生レストアプログラムを成功させたチームですが、今年一年かけて、この歴史的なプロトタイプを再び走行できるようにします。
 


 Jaguar Land Rover ClassicディレクターのTim Hannigは、次のように話します。
 「このランドローバーは世界の自動車史にかけがえのないものであり、ランドローバーの自動車量産以前のプロトタイプとして、歴史的にも大変貴重な一台です。そのレストアプロジェクトはランドローバー70周年の記念としても、非常に相応しいものだと思います」。


 Jaguar Land Rover Classicチームは、量産される以前に製造されたプロトタイプならではの製造プロセスを踏んで、レストアしていきます。例えば、アルミ合金のボディパネル、亜鉛メッキ施工したシャーシ、脱着可能なリア荷台。その塗装は、1948年に使われた同色のライトグリーン塗料が使われます。
 また、このクルマの過去の所有者たちは、歴史的な復元レストア作業を共に見届けるために、ジャガーランドローバーのクラシックワークスの設備に招待されています。この画期的なプロジェクトは、ソリハルで製造されたシリーズIから最終のディフェンダーまでの67年間以上も生産してきた歴史を祝う一大イベントになることでしょう。
 

 

【プロトタイプ初号機”MISSING"年表】
1948年 左ハンドルで設計され、実験車両として記録

1948年 エンジン部門の開発が進み、右ハンドル車両が設定
1955年 1955年6月25日にモデル名「SNX910」として登録
1961年 ハンズワースに住む所有者に販売
1965年 サットンコールドフィールドに移転
1967年 ストラトフォード=アポン=エイヴォンに移転
1968年 アルヴチャーチウスターシャーに移転
1968年 ウェールズ地方で電源車両として使用される
1988年 エンジンが不動になり、バーミンガムの新所有者に譲渡される
2016年 ソリハル近くで発見され、かつてないレストア作業を目指す