LAND ROVER STYLE CHANNEL
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IDENTITY

レンジローバーと自分のアイデンティティ

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浦野周平さん

2006年 VOGUE ABA-LM44オーナー
1976年生まれ
イラストレーター
Shu-Thang Grafix /シュウ・サングラフィックス
http://www.shu-thang.com/

好きなものは古さを感じないもの

  

■愛車はレンジローバーと、シトロエンXM。

 愛車歴を数台見れば、その人の価値観、人間性もちらりと見えてくる。彼の職業はデザイナー、イラストレーター。彼の生み出す独特のキャラクターに見覚えのある人も多いと思う。そう「モテリーマン」の生みの親だ。
 「子供ができて、大きくて安心して乗れるクルマを探しました。レンジローバーはシトロエンXMと同様に、機能美と言うべき無駄のないボディをしてるんですよ。開発者が、とことん合理性を求めた結果のデザインに思えます。レンジローバーのデザインがクラシックから現行モデルまでほとんど変わらないのも、その表れですよね」。
 それを聞いて納得してしまったのが、彼の描くデザインとの共通点。時代や流行を感じさせないデザインなのだ。

■デイリーウォッチは、ロレックスではなくチュードルを。

 品のないお恥ずかしい話だが、インタビュー中に彼の袖口からチラッと見える腕時計が、ロレックスのデイトナ6263ではないかと思った。話が一段落したところで、思い切って聞いてみた。
 「凄い時計してますよね?」。
すると彼はこう応えた。
 「あ、これ違いますよ、ロレックスじゃなくチュードルです。例えばこういうものも好きなんです」。
 チュードルと言えばロレックスの弟ブランド。ムーブメントが他社製(ETA社)で、それ以外はデザイン、ケースはロレックスである。ここにも彼の一貫性が見えた気がした。
 

時計はチュードル。自動巻きクロノタイム。

 

■代官山のサイクルは、僕には早すぎて…。

 代官山と言えば、時代をリードし、自然とクリエイティブな人が集まる街。毎年生まれる流行は消費サイクルが早く、翌年にはまた別の風を生み出している。
 「独立する前は代官山で働いていました。だけど僕の目指す世界は、時代性を取り入れたようなポップなものじゃないし、代官山にも僕の感覚は必要とされてないのではと思いました」。
 そう確信した彼は、代官山を離れ、地元へ戻っての独立を決意したのだった。

■家庭も仕事も趣味も、巨大な収納庫に集約。

 今回は、ご自宅兼仕事場で取材をさせていただいた。彼のライフスタイルは、家族と仕事と趣味のオールインワン。大事なものたちと、いつも近くで過ごせる最高の空間だ。
 仕事場からガラス越しに愛車レンジローバーのリアビューを見上げられる空間も持ち合わせていた。仕事にもクルマにも通じるポリシーが『古さを感じない、無駄がない、時代性はいらない』。それが家にも表れている。
 「デザインすることは、合理的に作り上げることだと思います。素材でも色でも流行のものはいろいろあるけれど、それを取り込みたいとは思わなかったのです。無駄を省いたデカイ収納庫のような空間を作りたかったのですよ」。
 

「モテリーマン」の生みの親が浦野さん。