素敵な大人になりたいなら、レンジローバーに乗ればいい

とっても失礼だが、彼は巨匠カメラマンには見えない。若さと謙虚さがそう思わせるのだろうけど、彼の作品を見れば、ほとんどの人がそのギャップに驚く。 「カメラマンは裏方の職業だし目立つべきじゃない、でも世界観もまったく見えないのも頼りにならないし楽しくない。セルフプロデュースというわけではないけど、レンジローバーに出会ってから自分のスタイルがしっくりして来たと思います。サイズも収納も、都内での操作性も、郊外へ行くにもちょうど良い車です。」



レンジローバー同様に大事なものは?と訊ねたら、愛車からライカのカメラを取り出してきた。終止ナチュラルな彼が手に取ると、ライカが人間に程近い、牧歌的なものに見えてきた。 「カメラって、カタログ上のスペックじゃ分からないんです。実際にお金を払って買って所有して、1日街を撮り歩いて自分に合うかが分かるんですよ。良さそうなカメラを探して、買って、1日撮り歩いてはしっくり来なくて翌日すぐに売って…みたいな事を繰り返し、1年で10個以上も買いました。自分の体の一部になってくれるものを探しているんでしょうね。また、カメラを手で持って街を歩くか、肩から掛けてるか、カバンにしまってるかで撮りたいと思う被写体も変わるんですよ。ライカなんて金持ちが見せびらかすために買うものだろうなんて思ってたんですが、今は僕の最高の手であり、目でいてくれています。



「レンジローバーを運転してると、ゆとりと言うか通り過ぎる景色をずいぶんと楽しむようになりましたね。カメラのファインダーを覗くことで、撮りたいもの、記録しておきたいものに気がつくのと似ています。 たとえば海外に行った時には現地で名所とか感動を探したがるし、 帰ってくると東京の時間に巻き込まれてる感じになるのがもったいないと思うんです。本当は先入観や惰性の気持ちを捨てて、世界中どこにいても、旅の途中みたいなニュートラルな気持ちで過ごしたいです。」



彼に会う度に感じるのは、まだ若いのに、既にシンプルであるいう事。
人間って、大人になる過程で、「新しい」にこだわったり「個性」に執着したり、なかなか等身大になれないものだが、彼はすでに違う。
「長くつき合えるモノかどうかは、自分の体の一部になり得るかで決まると思います。」現在の彼の手足に、目に、なっているものは、2ndレンジローバーとライカM。 


カメラマン
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